本を出版しました！（友人が）

ワタクシのお友達が、ご本を出版されました！
おめでとうございます～👏👏ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

キェルケゴール美学私考　─ イロニーと良心 ─
木瀬康太 著（北樹出版）

名著「死に至る病」でお馴染みのデンマークの思想家、
キェルケゴールについて書かれた必読学術書でございます。

​
「キリスト者」として論じられてきたキェルケゴール。
しかし当の本人は「キリスト者でありたい」という理想と、
「いち詩人兼思想家でしかない自分」という現実とのギャップに
生涯を通して葛藤を抱いていたそうです。

そのような葛藤に対して、彼自信がどのように考え
どのように克服しようとしてきたのか。

それらがよく説明されないまま構築されてきた
これまでのキェルケゴール像に対し、
再構築の必要性があるのではないかと述べる著者、木瀬さん。

果たして、木瀬さんの考えるキェルケゴール像とは…！？


━━━という感じでよろしいでしょうかー！！

🧠　🧠　🧠

先日、北樹出版さんから
「木瀬康太先生からご献本です」
と、こちらのご本をお送り頂きました。

といいますのも、表紙のデザインを考える際に
木瀬さんから「アイデア、カモン！」とご連絡を頂き、
お手伝いをさせて頂いたのです。

当初、俺たちの木瀬さんは

「緑の樹々などのイメージです」
「いかにも専門書というのではなく、手に取りやすい表紙が良い」

と仰っていました🌳🦕
​
一方で私は、磯山雅先生の「マタイ受難曲」の表紙に
インスピレーションを受けまくっておりました。

こちら。

大学１年生の夏休みの間、CDを聞きながら繰り返し読んだものです。
そしてキリストが可哀想すぎて泣くなど。


そんなわけで、
「中央にキリスト像とか良いな…✨」
ということをうっすら考えていました。

キェルケゴールとキリスト教はセットでございますし。

我ながらナイスと思った矢先、
「キェルケゴールってカトリック？プロテスタント？」
という疑問がフーと湧いてきました。

というのも、この時ワタクシは
十字架にキリスト像があるかないかの違いを
スルーしてはいけないような気がしてしまったのです。
宗派を比較して論じている宗教本ではないというのに、ばかたれ！！

だいたい、キリストが十字架に磔にされたというエピソードに
プロテスタントもカトリックもないですね…。トホホ。

あゆ教、脳内学級会
「やれやれ、きみというやつには心底呆れたよ」

🌳　🌳　🌳

というわけで、
「そもそも樹々のイメージじゃないし、キリスト像はボツか」
という結論に至り、思考停止。

その後、木瀬さんとお会いして打ち合わせをすることになりました。

「文字はゴールドでー、枠でかこってー」
と、思いついたことを好き勝手に吐き出していたら

「実は、使いたい画像があるんです」
と木瀬さん。

バッグの中から徐に分厚い本を取り出し、
「キェルケゴールと同時代のデンマークの芸術家の作品で…」
と、デンマーク語で書かれた美術書を見せて下さいました。

そこに載っていたのは、デンマークを代表する彫刻家
ベルテル・トーバルセンのキリスト像。​

こちら。

こ、これだー
ボツ案、復活の瞬間であります。

そして愚かなワタクシはようやく気付きました。

そうか。
別にキリストが磔にされていなくても良いのか。

むしろ
「宗教書っぽくなるので、十字架モチーフは避けたい」
とのことでした。


先ほど、さらりと書いてしまいましたが、
大事なことなので、もう一度書きます。

デンマーク語で書かれた美術書でした。

あゆ「時代的に〇〇ということでしょうか？」
木瀬「そうですね…そのように書いてあります」

木瀬さんは長年、キェルケゴール研究と
それについて書かれたデンマーク語書籍の
翻訳をされています。

かれこれ15年来の仲でございますから、
そのことは勿論知っておりました。

しかし、いざ目の前で、スススーっと未知の言語を
​流し読みしているお姿を見て仰天してしまいました。
ヒィー、おぬし凄いのう…

※木瀬さんはデンマーク語のほかにも
ドイツ語、フランス語、英語、上級ジャパン語と
まことに語学堪能な方でいらっしゃいます。

子、曰く
「語学は裏切らない」
（木瀬康太名言集／あゆ教出版　より）

​
画像が決まったら、どんどんアイデアが浮かんできて
色は「この青」が良いだの、文字はやはりゴールドだの
提案したことを殆ど採用して頂きました。
ありがとうございます。恐縮です。いやはや。

皆さん、密林（Amazon）や書店でコチラのご本を見かけたら
２冊でも３冊でも血眼になって手に取り、購入しまくりあげ、
キェルケゴール普及に勤しみましょう…ネッ🌹✨

なお、今回のご本のほかにも
木瀬さんの論文が掲載された文集（？）が２冊
当教室の本棚にございます。
※コチラも木瀬さんに頂いたものでございます。

気になる方はお手に取ってご覧いただき、
木瀬さんの上級ジャパン語に触れてみてください…ネッ🌹✨


​【余談①】
ちなみに「この青」というのは
ちょっとした思い入れのある色なのです。

ワタクシが大昔、教室の看板を作ったときに
使ったペンキの色が「この青」だったのです。

あおみどり色が好きなんだな程度の解釈でお願いいたします。

初代、あゆ音楽教室の看板。

友人からは「etc.って…めっちゃ適当だね」と
極めて冷静に言われました。
そう言われた時の率直な感想といたしましては「バレたか」です。

雨ニモマケズ、風ニモマケズ、長年頑張ってくれましたが
一昨年くらいだったか、木にヒビが入って潮時を迎えていましたので
感謝を込めつつ、空手チョップで叩き割って捨てました。

また気が向いたら、新しく看板を作るかもしれません。


【余談②】
ご恵贈いただいたお礼に
執筆活動で肩がバキバキだという木瀬さんへ
マッサージクッションを匿名でお送りしました。

差出人不明の荷物が届き、新手の特殊詐欺かと思ったそうです。


​