シェイクスピアの「ハムレット」です。
当日までミュージカルだと思い込んでいたのですが、
超正統派お芝居でした。
白いラインが引かれた黒い床と、必要最低限の舞台装置だけで構成された非常にシンプルな舞台。
先王の亡霊が夜な夜な城壁に現れるというシーンから物語が始まるのですが、舞台には岩が1つ置いてあるだけ。それが不思議と冥界のような雰囲気で、スモークまで焚かれた日にはオルフェオでも出てくるんじゃないかと…。
そうかと思ったら、岩が長椅子に置き換えられて宮廷のシーンに。
小道具ひとつで空間がガラっと変わって見えるかどうか、妄想力が問われます。
衣装は全体的にシックな装いでしたが、舞台に余計なものが何も無いので十分映えて見えました。
男性陣はヘンリー8世のような衣装。素敵。
凄いな~と思ったのはセリフ。すごく長い上に、新潮文庫のような日本語でした。
役者さんたちはどうやってあの長いセリフを覚えているんでしょうね。
非常に聞き取りやすかったのも驚きでした。
主人公ハムレットが父の仇を討つ機会をうかがう為に狂人を装って過ごす場面があるのですが、
そこでのやりとりが非常に面白かったです。
Pさん 「ハムレット様、何を読んでいらっしゃるんですか?」
ハムレット様 「言葉だ、言葉!ウンタラカンタラ…」
Pさん 「狂人のクセに、筋が通ったことを言うわい…」
このような言葉遊び(?)がシェイクスピアの面白いところらしいのですが、
このやり取りを見ていて、ある友人との会話を思い出しました。
友人が帰国子女だというので「どのくらい英語話せるんですか?」と聞いたら
「日本人より話せます(キッパリ」
とのこと。
素晴らしい才能ですね。
私は大変しばしば「日本語が母国語とは思えないレベルの文法」と言われるので、
もし言葉に不自由してモゴモゴしているようだったら、どうぞ助けてやって下さいませ。